- 宗像窯では、地元の土を使って焼いているんですか?
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はい、登り窯のある辺りの土ですね。
誰が使っても土ってあまり変わらないんですけど、
土が本来持っている力を引き出すためには、
いろんな経験を積んでいかなくちゃいけない。
江戸時代から使ってきた良質の土をどこまで活かせるのか。
まだまだ修行ですよ。 - 修復した窯でますますいい器が焼きあがるのが楽しみです。
最後に、今後の展望を教えていただけますか。 -
国内はもとより、
海外にももっと会津本郷焼の良さを発信できればいいなと考えています。
それと同時にふるさとの良さですね。
会津盆地は、夏はとても熱く、冬は非常に寒い土地ですが、
その分四季がはっきりしています。
例えば、春が来るときの喜びは非常に大きいですね。
美しい自然や四季から育まれて、私たちの焼き物も生まれていますので、
そういった背景も海外の方に伝えていければと思っています。 - 実際に海外の方とも交流があるのでしょうか。
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少しずつですが、窯にいらしてくださったり、
東京で個展を開催した時などに、ご縁が広がってきています。 - 海外の方からの反応はいかがですか?
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日本の伝統工芸に対して、興味を持ってくださる方が多いですね。
あとは同じアジアでも、中国でしたら、中国茶をきっかけとして、
急須などに興味を持っていただいたりしています。実は、息子はなかなか良い急須を作るんですよ(笑)。
私は急須って日常使いのイメージでしたが、考えてみたら、
中国茶って非常に高額なものもあるんですね。
それを飲ませる器っていうのは、機能性や見た目の美しさはもちろんですが、
作り手の精神性がとても大事だと思います。
そういう面では、やはり良質なワインを飲むグラスがあるのと同様に、
中国茶でも、それに応じた茶器が必要になっていくのではないかと、
どんどん意識が変わってきていますね。