- これまで参加してきたイベントを振り返ってみて、印象的なものがあれば教えてください。
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コシノジュンコさんと一緒に取り組んだ
絵付け体験イベントには刺激を受けました。
コシノさんの器のデザインは、ちゃんと持てるかな?
と疑問に思うような独特な形状だったのですが、
持ってみると意外としっかり掴めるんです。
しかも、実際に持ち上げてみると、思ったよりも楽に掴める。
イメージと実際に器に触れたときの差が面白くて。
器作りにおいて、デザインは大事だなとあらためて思いました。 -
宗像窯では普段器に絵付けはしませんが、
AGF®さんとのイベントでみなさんが絵を描いているのを見て、
器の創造性が広がりました。
まだ具体的にどうするのかというのはありませんが、
これからの焼き物作りの可能性を感じましたね。 - 親子で絵付けされているのを見て感じるものがあったんですね。
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今年、鈴鹿で開催した絵付け体験は印象深かったです。
3、4歳のお子さんがピンク系の色でばぁ~っと器に描いているのを見て、
これは本当にすごいぞと、感動しました。
今までの絵付け体験イベントでは子供が描く絵という先入観で見ていました。
これからは、もっと真剣に見てあげなくてはと思いました。
そして、子どもたち一人ひとりが
どういう思いで描いているのかをもっともっと聞いてみたかったですね。 - イベントを通じて、人とのつながりは広がりましたか?
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つながりが広がったというよりも、
人と人とのつながりが大事なんだと、あらためて感じました。
地域の人たちと交流を続けることで、
ファンが増えていくというか。
長く付き合っていくことではじめて見えて来るものがあります。
これはうちの焼き物でも同じことだなと、すごく勉強になりました。 - 一連のプロジェクトを経て、
窯元ご自身の気持ちに変化を感じることはありましたか? -
何かをやることで風が吹くっていうのを感じましたね。
AGF®さんのほかにも、壊れた時に手を差し伸べてくれた人はいましたが、
はじめは協力してもらっていいものかと思った部分もありました。
壊れ方がひどかったものですから。
でも、いざ、決心して、手を取り合ってやってみようとなると、
いろんな風が吹いてきました。
AGF®さんの場合は、その後も定期的に応援してくれるので、
感謝の気持ちとともにその都度やるぞという気持ちになりますね。 - 作品作りにも変化を感じられますか?
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そうですね。
たとえば、今まではコーヒーをただコーヒーとしてしか見ていませんでしたが、
そうじゃなくて、豆の質とか、製造の技術とか、
さらにはどういう状態で飲んでいるかなど、
繊細な部分をより深く知ろうとする気持ちが生まれました。
焼き物も一見すると、
ただ白いとか茶色いとしか見えていないと思うんですけど、
作り手のねらいが明確にあると繊細な禾目も見えてきます。
そういう事をこちらから訴えて伝えなくても、
「器の絆プロジェクト」を通して
それを感じる人に出会えたことが嬉しかったです。 - それによって、作品にも新たな方向性が生まれますか?
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AGF®さんとご縁が出来たお蔭でコーヒーの奥深さにふれる事ができ、
もっと教えてもらいたいと思いました。
そして、名品と言われるものは作品の中に、
何か一つ際だっているものが潜んでおり、
又、それをひき出してくれる人に出会うためにも、
自分自身がもっと研鑽をつまなくてはと思いましたね。コーヒーの話でいえば、器を作っている立場からすると、
美味しいコーヒーがより美味しくなるような器というものを心がけて、
勉強して作っていかなければいけないなと思います。
紙コップで手軽に飲むのもいいですけど、
やはりお気に入りの器で飲むと、美味しさがより引き立つと思います。お茶でも、最高級の茶葉を使い、
素晴らしい茶室でお茶を立てたとしても、
器がそれに匹敵しないと、せっかくのいいお茶がもったいない。
だから美味しいコーヒーに合う、いい器を作らないと、
とあらためて思いましたね。 - 美味しいコーヒーを飲みながら、いいアイデアを思いつくことはありますか?
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そうですね、オンとオフの頭の切り替えは大事なので、
コーヒーを飲みながら、仕事の合間にホッと一息ついた時に、
思いもよらないアイデアが浮かぶことがありますね。