8月某日、和菓子のプロフェッショナルである4名の審査員によって、
厳選なる書類選考が行われました。4名が175点の書類すべてに目を通し、
時に悩み時に感心しながら、実食選考に進む作品を絞り込みました。
応募総数は175点。厳かな空気の中、応募書類のすべてに一人ひとりが目を通し、審査員ひとりにつき40点に絞り込んでいきます。
「レシピを見れば、大体の味や食感は想像できます」と梶山氏。材料や配合など、細かい部分にも注目し、組み合わせやバランスの善し悪しを見ていきます。
応募書類には、コンセプトやレシピが丁寧に記入され、試作の写真が掲載されています。「一生懸命につくって、写真を撮って送ってくださるんだから、うれしいですよね」と薮氏。
審査基準は、一年中売れるかどうかより、食べてみたいと思えるかどうか、食べたときにおいしいかどうか。和菓子のプロだからこそ、そのシンプルな基準を厳しく評価していきます。
書類選考の際は、記載されている名前や年齢、性別なども伏せられています。ですから、応募者は「和菓子のアイデア」という1点でのみ、平等に評価されます。
「どうしても厳しくなってしまいますね」と西尾氏。応募してくださる方も真剣だからこそ、審査する側も妥協は一切ありません。
発想の新しさやコーヒーというテーマへの探求というところで、審査員の好奇心をかき立てた作品も複数あった模様。
審査員一人ひとりが40点ずつ選んだものを集計し、全体の順位表を出します。そして、その表を確認しながら最終的な50点に絞り込んでいく作業がはじまります。
おいしいかどうかはもちろん、コーヒーという素材の活かし方、形状や色彩などの見た目の美しさに加え、実際に販売した時に食べやすいかどうかも審査の対象。最後まで、何度も書類に目を通します。
順位表の中で、自分が選んだ作品がどこに入っているかも細かくチェック。同点の作品については、選んだ審査員が評価ポイントをプレゼンするシーンも。
約2時間半にわたる厳粛な審査の後、実食選考に進む52点が選ばれました。